政府が将棋羽生善治竜王と囲碁井山裕太7冠に、国民栄誉賞を授与する検討に入ったというニュースが飛び込んできました。
政府は、将棋で史上初の永世7冠を達成した羽生善治氏(47)と、囲碁で初めて2度の7冠独占を果たした井山裕太氏(28)に国民栄誉賞を授与する検討に入った。前人未到の快挙で、同賞にふさわしいと判断した。菅義偉官房長官が13日午前の記者会見で明らかにした。
菅長官は会見で授与を検討する理由について「いずれも歴史に刻む偉業で、社会に明るい希望と勇気を与えた」と説明した上で、「授与の検討を進めるよう安倍晋三首相から指示があった」と述べた。今後、有識者の意見を踏まえた上で、正式決定する。
将棋・囲碁界で受賞すれば、初の事例となります。
国民栄誉賞の選考基準や賞金、記念品の上限、年金の優遇、辞退者、まだ受賞していない人などについてまとめました。
国民栄誉賞
国民栄誉賞(こくみんえいよしょう)は、日本の内閣総理大臣表彰のひとつ。賞の運用は1977年(昭和52年)に定められた国民栄誉賞表彰規程に従って行われ、当時の首相・福田赳夫により創設された。これまでに23人と1団体が受賞している。
wikiより
国民栄誉賞は「内閣総理大臣顕彰」の規定に当てはまらない、本塁打世界記録を達成したプロ野球選手・王貞治を称えるために創設したのが始まりです。
国民栄誉賞には文化功労者のような年金優遇などはなく、記念品を授与されます。
授与対象の2人はどのような方でしょうか。
羽生善治
将棋の永世称号の資格を全て持つ、「
妻は元女優の畠田理恵さん。
若い頃からその実力は知られ、初タイトルは名人と同列の序列トップの竜王を獲得。19歳2か月でのタイトル獲得は、当時の最年少記録で大々的に報道されました。
その後26歳で、竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖の7冠を同時に獲得。
2017年には竜王獲得通算7期目の竜王を獲得し永世竜王の権利を獲得し、他の永世タイトルを合わせ、史上初の永世七冠となりました。
井山裕太
その年の七大タイトルをすべて独占。
九段。大阪府東大阪市出身。名誉棋聖・二十六世本因坊・名誉碁聖の名誉称号資格保持者。号は本因坊文裕
七大タイトルの数々の最年少記録を保持している。
小学2年生で少年少女囲碁大会全国大会で優勝。
19歳のときに名人戦リーグを勝ち抜き史上最年少で七大タイトルの挑戦権を得る。
史上最年少20歳4か月で名人位獲得に成功する。
囲碁界史上初の七冠達成、囲碁界・将棋界を通して史上初の2度目の七冠独占を達成。史上初の年間グランドスラム達成者。
授与されるには文句のない実績です。
左:羽生善治氏 右:井山裕太氏
受賞時の表彰状、盾に記念品や金一封ですが、決まった額はありませんが、100万円以内というのが目安のようです。
国民栄誉賞受賞を辞退した人
受賞を辞退した人もいます
いままで受賞辞退した人は4人
イチロー
2001年(平成13年)、メジャーリーグで日本人選手史上初となるMVPを獲得する活躍を見せた事により、小泉内閣から授与を打診されたが、「国民栄誉賞をいただくことは光栄だが、まだ現役で発展途上の選手なので、もし賞をいただけるのなら現役を引退した時にいただきたい」と固辞
福本豊
1983年(昭和58年)6月に当時の世界記録となる通算939盗塁を達成。中曽根康弘首相から授与を打診されたが、「そんなんもろたら立ちションもでけへんようになる」(本人談)として辞退した。
日本全国向けには「呑み屋に行けなくなる」と報道された。
実際は「王さんのような野球人になれる自信がなかった。記録だけでなく広く国民に愛される人物でないといけないと解釈した」という心中を語っている。
福本さんらしいですね。
古関裕而
歌謡曲、校歌など数々の有名曲の作曲を手掛けていて、早稲田大学第一応援歌「紺碧の空」、慶應義塾大学応援歌「我ぞ覇者」、全国高等学校野球選手権大会の大会歌「栄冠は君に輝く」、阪神タイガースの応援歌大阪(阪神)タイガースの歌(「六甲颪」)、読売ジャイアンツの応援歌「巨人軍の歌(闘魂こめて)」などの行進曲の作曲をしました。
1989年(平成元年)の没後に授与が遺族に打診されるも、遺族が辞退されました。
大谷翔平
2021年(令和3年)、MLBで投手として9勝、打者として46本塁打など「二刀流」として驚異的な成績を残しMVPに選ばれました。
政府より国民栄誉賞の打診を受けましたが、「まだ早いので今回は辞退させていただきたいです」と辞退されました。
受賞していない人
えっ、受賞していないの?!という方はたくさんいます。
物故者(メンバーに物故者がいる)
石原裕次郎、高倉健、三船敏郎、手塚治虫、藤子・F・不二雄、ザ・ドリフターズ、松本清張
存命者
野村忠宏、北島康介、谷亮子、桑田佳祐、吉永小百合、ビートたけし、野茂英雄、鳥山明
問題点
「贈られる側の賞ではなく、贈る側(政治家のため)の賞だ」、「政治利用はいかがなものか」などの批判があり、顕彰の事務手続きを行う内閣府官僚も、「結局、時の政権が『国民栄誉賞を出したい』と言えば出さざるを得ない」としている。
授与する側である首相の胸先三寸的なところがあり、国民の多くが受賞間違いなしと評価し、マスコミからも受賞を確実視されながら受賞に至らなかった例もあり、評価基準が曖昧であるとの批判があります。
最後に
基準があるわけではないので、貰った人、貰わなかった人の線引きは出来ないですが、授与された方は称えられるには充分な方だと思います。
非受賞者もいずれ送られるといいですね。