6月6日には奈良市内で3体の秘仏を公開しています。3寺院で仏像2体、僧像1体です。
特別公開もなく、毎年この日だけしか観れない仏像もあります。
法華寺
初夏の御本尊御開帳
法華寺本尊の十一面観音立像が公開されます。
公開は春と秋、それにこの時期に開扉される秘仏です。
本尊の十一面観音立像は国宝に指定されています。
十一面観音立像
像高1.00メートル。本堂の厨子内に安置する。平素は非公開
像はカヤ材の一木造。保存状態もよく、平安時代彫刻を代表する作品の1つである。制作当初から彩色や金箔を施していない素木像で、髪、眉、ひげなどに群青、唇に朱、白目に白色を塗り、瞳、肩に垂れる髪、冠や腕釧などに銅板を用いるほかは、木肌の美しさを生かした素地仕上げとする。両手首から先や天衣の遊離部分など、ごく一部を別材とするほか、頭・体の主要部から、蓮華座の中心部分、その下の心棒まで一材から彫り出した一木造である。
像は左脚に重心を置き、右脚を遊ばせ、右足の第1指がやや持ち上がって、歩み出そうとする瞬間を表現したかのようである。
十一面観音像の作例で多い、少し重心をずらして腰がくびれた美しい仏像が多いですが、法華寺の十一面観音像も同じく美しいです。
開扉時期
6月5日~6月10日
春:3月20日~4月7日
秋:10月25日~11月10日
(年によって公開日は異なります)
拝観時間
9:00~16:30 最終16:00まで
拝観料
本堂 | 本堂 (御本尊御開帳) |
華楽園 | |
---|---|---|---|
大人 | 700円 | 1000円 | |
中学生 | 350円 | 500円 | |
小学生 | 350円 | 500円 | |
アクセス
電車
近鉄
近鉄奈良線、京都線「大和西大寺駅」下車 北口バス乗り場より近鉄奈良駅行き(自衛隊経由)に乗車 「法華寺」下車徒歩3分
JR
車
大阪方面より
京都方面より
西名阪天理インターより
駐車場
唐招提寺
唐招提寺では、開山忌の前後この寺を建立した鑑真和上像が開扉されます。
開扉は6月5日~6月7日で毎年この3日だけの開扉です。
鑑真和上像は国宝に指定されています。
鑑真和上像
像高80.1センチメートル。伝承によれば鑑真の弟子の忍基が、唐招提寺の講堂の梁が折れる夢を見、師僧の死去が間近いことを知って造らせたものという。鑑真が没した天平宝字7年(763年)頃の作と推定され、日本最古の肖像彫刻といわれている。脱活乾漆造だが、膝上で組んだ両手は木製である。肖像彫刻としては異例の、目を閉じた形に表される。この像は1977年にはパリのプティ・パレで展示され、1980年には中国に「里帰り」して揚州(鑑真の故郷)と北京で公開された。2013年、複製像が制作された。
平成の大修理が終わった金堂の仏像も必見です。
唐招提寺は唐の高僧・鑑真大和上により天平宝字3年(759)に創建され、井上靖氏の小説「天平の甍」の呼び名で親しまれている「金堂」(国宝)は、平成の大修理によって中世の大改修は行なわれず、江戸・明治時代の2回の大修理が行われたことが判明しました。創建以来、約900年の長きに亘って金堂は建ち続けたのです。
堂内は、連子窓から取り入れられた柔らかな光に満たされ、中央に本尊・盧舎那仏坐像、右に薬師如来立像、左に千手観音立像(いずれも国宝)が並ぶ姿は、天平時代を彷彿させる厳かな雰囲気に包まれています。
眼を閉じた鑑真和上像は実に写実的で、今にも動き出しそうなくらいです。

開扉期間
6月5日、6日、7日
拝観時間
9:00~16:00
拝観料
通常拝観料
個人 | 団体 | 新宝蔵 | ||
大人 | 1,000円 | 800円 | 200円 | |
中・高校生 | 400円 | 320円 | 100円 | |
小学生 | 200円 | 160円 | 100円 |
※特別拝観料
上記拝観料に、大人1000円 中高生400円 小学生300円も必要
アクセス
電車
近鉄橿原線「西ノ京駅」徒歩700m
JR・近鉄「奈良駅」、奈良交通六条山行バス17分「唐招提寺」下車すぐ
車
第二阪奈有料道路 宝来ランプから3km
西名阪自動車道 郡山インターから8km
駐車場
有(乗用車150台・有料)
秋篠寺
秋篠寺では大元堂の大元帥明王像が開扉されます。
開扉するのは1年に2度ありますが、一般の拝観ができるのは毎年6月6日のみです。
大元帥明王像は重要文化財に指定されています。
大元帥明王像
鎌倉時代。本堂西側の大元堂に安置。大元帥明王の彫像として稀有の作。6本の手をもち、体じゅうに蛇が巻き付いた忿怒像で、秋篠寺が真言密教寺院であった時代の作である。秘仏で、5月5日の護摩法要と6月6日の結縁開扉の時に開扉されるが、一般の拝観が可能なのは6月6日のみである。
秋篠寺では、国宝の本堂に本尊の薬師三尊像など仏像が安置されていますが、中でも伎芸天像は高い須弥壇上に安置され、しかも像は大きく205.6cmもありますが、首を傾げ、やや前傾していて目線があい、私だけを迎えて頂いた気分になり、親しみを感じさせてくれます。
眞子さまのご両親、秋篠宮親王が紀子さまとご婚約されたときに、秋篠宮由来の秋篠寺の伎芸天が紀子さまに似ていると、フィーバーが起こったこともありました。

開扉期間
6月6日
拝観時間
9:30~16:30
拝観料
大人(高校生以上) 500円
小・中学生 中200円 小100円
アクセス
電車
近鉄奈良線「大和西大寺駅」 北口より押熊行バス6分「秋篠寺」下車すぐ
車
奈良競輪場近く
駐車場
車12台、バス8台 無料
https://narashikanko.or.jp/spot/temple/akishinodera/
まとめ
6月6日に限定したのは、秋篠寺の大元帥明王がこの日しか開扉しないためです。
普段は静かな秋篠寺もこの日は多くの人が集まります。
この日だけのご朱印もあるので、朱印帳は忘れずに。持ってない方は、用意することをオススメします。
朱印のススメ

近隣には、薬師寺、西大寺、平城京跡などの寺院、史跡があるので、あわせて拝観してみてはいかがでしょうか。