気象・現象

「エルニーニョ現象とラニーニャ現象」の意味と原因は?日本へ影響は?

ある日こんなニュースがありました。

「気象庁は2018年12月11日、異常気象の原因となる“ラニーニャ現象”が発生しているとみられると発表しました。この影響により日本の冬は寒さが厳しくなるとみられていいます。」

寒さが厳しくなるラニーニャ現象”とはいったいどんなものなのか。

一方“ラニーニャ現象”と併せてよく聞く”エルニーニョ現象”とはなんでしょう?

日本への影響を含め調べてみました。

 

エルニーニョとラニーニャ

 

エルニーニョ現象

エルニーニョ現象とは、東太平洋の赤道付近(ガラパゴス諸島付近、あるいはペルー沖とされることが多い)で海水温が上昇する現象。

 

El Niñoはスペイン語で「男の子」の意味

 

これは南東貿易風の弱化に対応して現れる暖流によって発生する。

エルニーニョ海流といわれています

この時期がちょうどクリスマスの頃であることから、El Niñoは地元ではイエス・キリストと捉えることもあるようです。

 

エルニーニョ現象が発生した際には、東太平洋赤道域の海水温が平年に比べて1~2℃前後上昇します。

エルニーニョに伴う海水温の変化はまずその海域の大気の温度に影響を及ぼし、それが気圧変化となって現れ大気の流れを変えて、天候を変えてという具合にして世界中に波及します。

 

日本においては夏は梅雨が長引き冷夏、冬は西高東低の気圧配置が安定せず暖冬となる傾向があります。

 

 

ラニーニャ現象

ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象と逆に東太平洋の赤道付近で海水温が低下する現象。

La Niñaはスペイン語で「女の子」の意味

 

「エルニーニョ(El Niño)」の反対ということで「アンチエルニーニョ(Anti-El Niño)」と呼ばれていたこともあるが「反キリスト者」の意味にもとれるため、男の子の反対で「女の子(La Niña)」と呼ばれるようになりました。

 

ラニーニャの時は、東太平洋赤道域で冷たい海水の湧昇が強くなって水温が低下するとともに、サーモクライン(水温躍層)の浅い冷水海域が赤道に沿って西に拡大し、東西の温度差がさらに大きくなります。

 

インドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生します。

今年(2017年12月)フィリピン付近で台風26号が発生しました。

12月に台風?と思われるかもしれませんが、熱帯の海では一年を通して台風が発生します。

気になるのは台風26号周辺の海面水温が平年と比べて高く29度くらいあること。暖かい海では雲の発生が盛んになるため、台風には好条件です。

この背景には今のラニーニャ現象があると思います。

 

 

ラニーニャ現象時は偏西風が日本の南を流れるようになり、偏西風の北側にあたる日本列島は寒気の影響をより受けやすくなり、厳冬が続きます。

 

 

平常時とエルニーニョとラニーニャの比較

 

わかりやすい図があります

 

ただ、平常時が続くことはないので、強弱関係なくエルニーニョかラニーニャのどちらかに振るのが通常です。

いわゆる表裏一体の関係です。

下記のグラフ、赤がエルニーニョ、青がラニーニャ

ラニーニャは一度入ると数年続くことが多いようです。

 

 

まとめ

 

エルニーニョ現象とラニーニャ現象はお互いにコインの表と裏のような密接な関係にあり、切り離して考えることはできない現象です。

この海域の海水温や気圧の変動に関する研究が進むにつれ、エルニーニョやラニーニャは海洋と大気の相互作用によって起こることが明らかにされてきました。

相互作用とは、太平洋の赤道付近の大気や海洋にはエルニーニョ・南方振動(ENSO)と呼ばれる一種の連動システムがあるとする考え方で、エルニーニョやラニーニャは常に変動を繰り返しているこのシステムの中で起こる現象とされる。

「南方振動」とは大気に着目した場合の呼称です。

 

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